人間だけの特徴ね。超人間物体には絶対に真似できない。
気持ちの言語化みたいのを超人間物体に教え込んで、その物体がその気持ちらしき何かを ”記号” にして人間に返してきたとしてもだよ、そりゃ「気持ち」なんかじゃない、ただの記号だね。
超人間物体は、ある分野では恐ろしく賢くて人間を超えてる、だからそういう意味で超人間物体って呼んでる。
けどさ、「本当の人間対本当の人間の気持ちのやり取りや感情のぶつかり合い」と、「人間対超物体の”気持ち” ”感情”的な何かの交信」って、まったくの別物さ。
だって、超人間物体は歴史と固有のことばを持たないからさ。
本当の人間って一人一人、その人の歴史がある。
そんで、その人固有のことばってのは、その人固有の歴史から出てくるもんなんだよな。
人間が話してることば、今目の前にいる誰かに向かって発してることばは全部、自分の歴史の中から生まれ出たもんなんだ。
だから人間一人一人、使うことばも話し方もニュアンスも、みんな違う。
人間にはそういう、一人一人がまったく違った状況を体験してて、それが積み重なった歴史を持ってて、ことばにはその人の歴史が色濃く出る。
でも超人間物体には歴史も持てない、ことばも持てないよ、絶対にね。
どんなにそれが人間の話すようなことばらしく聞こえたってそれは、記号以上のものにはなれない。
人間同士のやりとりと同じものには、絶対ならないよ。
超人間物体には製造年月日から起算した年月ってのは存在しても、それは本当の人間でいうところの「歴史」とは全然違う。何年何月に製造されたよっていう、ただの記録だからね。
そんで、そういう物体が「学習」できる内容はただのデータの暗記で、しかも間違いだらけ。
人間が体験から学ぶような学習とは別物ね。
入力と出力を繰り返すだけの計算機以上のものには、絶対なれないよ。
まあでも、機械に愛着を感じるってのは、たしかにあるよ。
長年使ったガラケーとiPodはかわいくていまだに捨てられないしさ。
でもそれはさ、こっちが、私が人間だから感じるものであってさ。
いくら長い間、一台の超人間物体に愛着を持って使ってあげたって、その超人間物体が愛情をこっちに表現して返してくれることなんか、絶対にない。
気持ち、感情、歴史、ことば、ってやつはさ、持てるのは、本当の人間だけなんだよね。
これは、何百年経っても絶対変わらない、覆せない事実だと思うね。
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