29.あたりから、「過去」「現在」「未来」ということばが出てきた。
元々気持ちの波が大きくて、天気にも左右される。
そんな調子なので、脱力したとはいえ、暗い気持ちになることはよくある。
そんなとき思い返すのが、子ども時代。
子どものときは、心配や不安なんかなくていつも笑って泣いて、遊んで食べて寝る日々だった。
本を読んだり机に向かったりっていう時間ももちろんあったけど、思春期にさしかかる手前までの子ども時代は、楽しい思い出で埋め尽くされてる。
落ち込むようなときに限って、楽しい子ども時代は良かったなあ、いつまでもあのまま笑っていられたらいいのになあなんて思う。
ボクシングやってた時期に象徴されるような、何かに向かってまっしぐらに進むときは特に、そういう「心地良い過去」は悪にしか見えなかったな。思い出さないほうがいい、って。
だって過去に思いを馳せるのは、止まらない現在の歩みを妨害する気がしたからね。
一人暮らしを始めたときも、もう振り返らないんだ!過去なんてない、進むだけなんだ!って鼻息荒く、家族と過ごしてきた日々とは違う自分、っていうのにすごくこだわってた。
一人になるって、そういうことだと思ってたから。
でも今は、思い出に浸って抜け出せなくなることはたしかに停滞だけど、前進しながら「たまに振り返る」「たまに思い返す」のは決して悪じゃないと思うようになった。
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