34.時間② ~変わるけど変わらない関係~

不変

「独立=過去を捨て去る、まったく新しい自分になること」と思ってた。

でも、これまでずっと一緒にいた人たち、特に家族との関係は続いてる。

一緒には住まなくなっても、私が何をしててどう生きてるかを気にしてくれる家族との関係は、断ち切られたわけじゃない。

一人暮らしを始めてすぐのころに実家に行くと、よく変な気持ちに襲われてた。

つい最近まで当たり前みたいにここにいたけど、もう違う。
全く違う人間な気がするし、でもなぜかこうしてまたここに戻って来たりする。

なんで?

もう振り返らない!なんて鼻息荒く言ってるのに、その同じ頭のまま、その「過去の場所」にまた戻って来たの?こういうものを全部、捨て去ることにしたんじゃないの?

でも、そうこうしている間にも自分の時間は進んでいき、家族は「過去」のまま現在もそこにいる。

でも、それは本当に?

家族は「過去」で、一人でいる自分が「現在」ってのは本当?

これが、「時間」に関する思い違いがひとつ解けた瞬間だった。

今も昔も変わらず、家族は目の前にいる。

変わったのは自分の状況だ。家族との関係性は変わってない、そのままだ。

「独立=関係を断ち切る」じゃないんだ!

自力でどうにかやっていく、その自分の中に家族もいるし、過去からずっと続いてる関係性も、含まれてるんだ。

それを感じながら、たまに思い出も振り返りながら、同じその家族と「現在の」関係、「これからの」関係を築いていく。

これも立派な、独立の一部なんだ。

自分で勝手に作った家族と自分との間の「時間の壁」はこうして崩れ去った。

独立すればするほど、過去とはまた違う関係、現在ならではの関係を家族と築ける。

それは、一人の「人」として自力で立つ現在の自分と家族、という関係。

人対人の関係なんだ、家族も。

その点では、他の人との関係性と何も変わらない。

そう思うと、これから出会う人たちにも同じ思いが出てくる。

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